FIREの定義をアップデートする:200人の部下を持つ営業所長がたどり着いた「人生の主導権」

FIRE定義

1. イントロ:FIRE=リタイア(引退)という誤解

5年前、私が初めて「FIRE」という言葉に出会ったとき、それは「仕事から逃げ出すためのチケット」に見えていました。「お金さえあれば、もう働かなくて済む」「嫌な上司に会わなくていい」。そんな後ろ向きな動機でした。

しかし、営業所長として200名の警備員と向き合い、組織を4倍に成長させてきた今の私は、全く違う景色を見ています。

結論から言えば、私は今の仕事を辞めたいわけではありません。 むしろ、現場を走り回り、人を育て、組織を動かす今の仕事には大きなやりがいを感じています。では、なぜそれでもFIRE(経済的自立)を目指すのか。

それは、人生の**「主導権(選択肢)」**を自分に取り戻すためです。

2. リタイアの本当の意味:組織を「任せる」という卒業

FIREの「RE(Retire Early)」は、一般的には「会社を辞める」ことだと思われています。しかし、リーダーという立場におけるリタイアは、別の意味を持ちます。

私が心血を注いで大きくしたこの営業所。いつまでも私がリーダーとして居座るのではなく、「部下を育て上げ、安心して任せられる状態を作ること」。それもまた、一つの立派なリタイアではないでしょうか。

自立した組織を後にし、自分はさらに大きな仕事、あるいは全く新しい挑戦へと向かう。経済的自立があれば、その「次のステップ」へ踏み出すときに、お金の不安に足を引っ張られることがありません。

「今の仕事が好きだからこそ、最高の形で次世代に引き継ぐ」。そのための自由を手に入れたいのです。

3. 「何のためにお金を貯めるのか」の再定義

AI(Gemini)による家計簿診断を受け、私は改めて気づかされました。経済的自立の前に、やるべきことが山積しています。そして、その多くはお金以上に「心」と「時間」に関わることでした。

家計を持続可能にする: ザルだった管理を改め、土台を固めること(家族の安心)。

家族の思い出を刻む: 今しか見られない、5歳と3歳の息子たちの成長を特等席で見守ること。

子供の可能性を閉じない: 彼らが何かに挑戦したいと言ったとき、経済的な理由で「NO」と言わないこと。

妻と共に、いい人生を遂げること: 子供を巣立たせた後、妻と「いい人生だったね」と笑い合える関係を築くこと。

私の人生が終わる瞬間、「幸せだった」と感じるために必要なのは、通帳の数字そのものではなく、その数字がもたらしてくれる**「大切な人を守り抜いたという実感」**なのです。

4. 私が目指す「ハイブリッド型FIRE」の形

今の私のライフプランを考えると、人生の中盤にお金がかかるのは明白です。教育費、住宅ローン、家族のイベント。ここを乗り切るためには、単なる節約だけでは不十分です。

私が提唱するのは、「稼ぐ力(本業)」×「守る力(AI家計管理)」×「増やす力(投資)」のハイブリッドです。

バリスタFIRE的な働き方: 経済的に自立した後も、社会との繋がりとして、あるいは自分の情熱のために働き続ける。

サイドFIRE的な資産形成: 資産収入で基礎生活費を賄い、本業の収入を「家族の思い出」や「自己投資」に全力を注げる状態。

「引退」を目指すのではなく、「いつでも引退できるけど、あえてこの仕事が好きだからやっている」という最強の精神状態を作ることが、私の2025年版FIRE戦略です。

5. 結び:主導権を握るための第一歩

FIREとは、決して「働かないこと」がゴールではありません。

**「自分の人生において、一番大切なものに、一番大切なエネルギーを使える状態」**を作ることです。

そのために、まずは足元の家計を整え、180人の現場を守り、一歩ずつ資産を積み上げていきます。

5年前の自分へ。

FIREは逃げ道じゃなかった。もっと前向きで、もっと責任ある「最高の攻め」の戦略だったよ。

メタボな営業所長の挑戦、第2章。ここからが本番です。

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